今回は、兵庫県篠山市のY様から、合計8羽の生体の準備とすでにお使いいただいてるチキントラクターに楽車キットを取り付けるなど改良のご依頼をいただきましたのでご紹介したいと思います。
ご依頼は昨年の梅雨の頃でした。すでにチキントラクターはお使いいただいていたのですが、ほかの鶏舎で野生動物による被害を受けられ、この春に向け鶏と移動が楽にできる楽車の追加を考えられているとのことでした。
てこの原理と大きな車輪の抵抗の低さを活用。
「楽車」は、言うなれば「テコ車」ということになります。
「だんじり」という言葉にはいくつかの漢字表記があるんですが、読んで字の如く楽(らく)な車。だんじり祭りにあるプラス思考なイメージも相まってこのキットの名前を「楽車」としました。
まずは楽車のない状態と取り付け後のビフォーアフターをご覧ください。
《BEFORE》
《AFTER》
もうひとつ。今回は、地面に近い高さに鶏が出入りする扉を付けて欲しいということで…
《BEFORE》
《AFTER》
このように変わりました。
じつはそもそも腰痛をお持ちのY様の
「もう少し腰に負担のかからないようにして欲しい。」
という一言で、作り手としてそのままでいいわけはない。いろんな方に養鶏を楽しんでいただく上で超えなくてはならない課題と捉えて試行錯誤。
弊社のチキントラクターが健康的な暮らしのアイテムとなって欲しいということもありますし、そんなことから「楽車キット」は生まれました。
すでに商品化もしてましたが、早くY様のチキントラクターに取り付けたいという思いをずっと抱えていたので、今回はそれが実現できてほんとに嬉しく思います。
この日のために育ててきた鶏は岡崎黄斑と烏骨鶏。それぞれオス1羽とメス3羽。
昨年8月の1日と3日に孵ったのをいつものように厳選し、温熱保育から自然養鶏という形で丈夫に育ててきたわけなんですが、すでに卵を産みはじめた烏骨鶏のメス3羽が抱卵をしていたんです。
このタイミングで移動することに抵抗がないわけがない、、、。
ひたすらゴメンネを繰り返しながら、抱卵したまま飼養場所である群馬板倉町から500Km以上の移動をし、Y様に届けるというのがもうひとつのプロジェクト。
昨日、日が暮れるのを待って鶏たちを車に載せましたが、このメシも食わずに抱卵し続ける三つの母性本能は、そぉーっと車内に載せて。
二つの雄叫びもいるので、夜明けまでにY様の付近でスタンバイすべくノンストップで走り続けるという重大任務。笑
やっぱりヒトのやることで鶏の負担はなるべく最小限にしたいですからね。
なんとか無事いい仕事ができました。
満開の桜の丹波篠山に春の風が心地よく。
業務終了後は、桜の下で思いっきり昼寝をさせていただきました。