野に草がない虫がいない冬のチキントラクター。
冬の鶏のお世話について少しお話ししたいと思います。
「ヒトと自然。いい関係。」というテーマのもとで、庭や農場などに自然の循環を生み出すことを考えると、人によっては市販の配合飼料で鶏を飼って、高いカロリーとたんぱく質から産まれる卵を利用できればいいという方もおられるでしょうし、また別のかたは良質な卵がほしいから残留農薬や抗生物質など化合物を含むものを鶏に食べさせたくないと言われるでしょう。もちろん化学物質に対して過敏症のかたもおられるでしょう。
これはニワトリ小屋(チキントラクター)を作っている田舎大工の考えなのでそうしないといけないわけではないことを最初にお伝えしておきたいのですが、自分自身の主に目で見て感じてきたことから考えるのは、「自然」が一番大事ということです。
人の都合でやってはいけないことを当たり前にやってきたことで何十年も後に大問題となったことというと何か思いつくものはあるでしょうか?
そこからヒトは何を感じてどんな行動を起こせているのか考えた時に、目の前にあるチキントラクターとそこにいる鶏たち、それからそれを見ているご自身という三角形で自然の循環を生み出して行くことができるんです。
もちろん自然界に食べ物がなくなる冬というものが自然な姿で、そこで生きる術を見つけるのが野生動物です。残念ながら鶏は食物連鎖のピラミッドの真ん中より下にいるので、人間が守ってあげる必要がある生き物です。いかに自然なものを食べさせてあげられるかという「お世話」が鶏を助けてあげられることになります。
「ヒトと自然。いい関係。」という姿に触れてヒトの心は豊かになって、鶏のお世話や食べる自家製卵の味だけじゃなく、スーパーの食品もコンビニのおやつもペットの姿も時々現れるカラスの様子も…、すべて“見え方”が変わっていきます。
それもまたチキントラクターが生み出す循環の一部分なのかなと思います。
種とともに冬を越え、鳥(鶏)とともに春を歌おう
今年も寒い冬を鶏たちと過ごしていますけど、春は確実に近づいてきています。
化合物や農薬、保存料を含まないものを鶏に食べさせてあげたいという場合、冬の鶏のごはんをそれまでに蓄えておかないといけないということになりますが、販売している発酵飼料はそういうかたのお気持ちがよくわかるので、販売に至った経緯があるんです。つまりもともとはうちの鶏のごはんとして研究してきたものなんですよね。
米、糠、籾殻、蕎麦粉など無農薬の原料を集めるだけでかなりコストがかかりますので、発酵飼料も安いものではありません。かなり価格もサービスさせていただいてますが、しんどくなれば値上げせざるを得ないといつも感じています。
チキントラクターもそうですが、使うかたがいかに得か。失敗(=損をする)を押し売りしてはならないという揺るがない気持ちのまま、自分の立場、役割は何かと考えているつもりです。
発酵飼料は微生物が増える鶏のごはんです。
その微生物飼料を種としてご自宅で微生物を増やすこともいいでしょうし、コストを抑えるアイデアのご相談もいつでもお受けしております。
お住まいの環境を教えていただいたり、入手できるものを伺ったっりしながらご自分と鶏の冬の過ごし方の設計をしていかれると安心かもしれませんね。
春はもうすぐ。鶏は鳴くのではなくて歌っています。
鶏とともに春を歌える日がもうすぐやってきますよ。^ ^