いつもの不耕起栽培田です。
耕さず、肥料もやらずに田植えから2週間が経ちました。
稲という植物は、根元から新芽を伸ばして株分かれするいわゆる“分蘖(ぶんけつ)”をしながら成長します。
水から出ている根元を見ればお分かりでしょうか。
周囲の田んぼより十日ほど田植えが遅かったこの田んぼ。
この勢いで成長すればもう2、3週間すれば追い越す見通しだそうです。
肥料を与えていないと書きましたが、昨年の稲刈り直後、雪が降るぎりぎりまでチキントラクターでの鶏耕、というか、主に草の種を食べながら糞を落としていた田んぼです。
この稲の状態から窒素が充分効いていることがわかるとのことです。
確かに青々としていてピンとしてるのが素人でもわかります。
田んぼにチキントラクター?なんて常識では考えられないことですが、稲のない時期に「鶏耕」というものを取り入れることで思っている以上にメリットがありそうです。
もちろんほかと比べて味が違うこと。すごくおいしいお米になります。
そして、生産者である農家さんにとって、このやり方からさらに直播きが成功すれば、いくつもの工程が省けて、肥料もいらなくなる可能性があります。卵の生産からの収入も出て、大きなコストダウンになるわけですね。
脱農薬!脱除草剤!という前に、私たちは自然の摂理に逆らず農家さんが楽に生活できるやり方を探りたいと思います。
アイガモはまだ成長段階にありますが、田んぼで稲といっしょに育てられています。
かわいいアイガモの様子なども近いうちにお伝えできればと思います。
さて、田んぼの脇に設置したチキントラクターのひとつ、畳二枚分、つまり一坪クラスのTC-ACQモデルには、10羽の烏骨鶏がいます。
オス1羽とメスが9羽というコロニーなんですが、いくつかのメスが抱卵しているまっ最中でみんなで見守っています。
こちらも近いうちに新しい命の誕生をお伝えできるかもしれませんね。
自然の中で生き物が生き生きと暮らしていて、そこから恵みをいただく。
その当たり前のことが珍しい時代だからこそ、こういうものを何がなんでも残したいと思います。