有難いことに全国からお問合せをいただきながら、目の前のチキントラクターの製作を進めております。
市販されているペット用品などと違って、私どもでは出来あがると見えなくなる部分をお客様への進捗情報でお見せしながら、そこにポイントがあることもお伝えするようにしています。
こちらは、本体を立てて撮影していますが、接地面から側面を見上げる角度の写真です。
亀甲金網は、粘り強度のあるステンレス製を標準採用しておりますが、外から見ると押さえの木が金網を固定しているように見えますよね。
その前の工程の写真がこちらです。
少し見えづらいので正面から。拡大してご覧ください。
ホッチキスのようなステープルをこんな細かく固定しています。
このステープルもステンレス製で、もちろんホッチキスより太い針なんですよ。
ちなみに押さえの木に打ち込んでいるビスもステンレス製ですが、間隔は20cm以下としています。
ステープルがなぜミシンで縫ったかのような細かさなのか、押さえ木のビスのピッチがなぜ20cm以下なのか。
それはチキントラクターの必要な条件の中ではごく一部ですが、すべて設計からの構造計算だけに頼らず、実際に負荷をかけた体力テストを繰り返して反映しているんです。
約10年前のチキントラクターの販売に向けたいわゆる商品開発の1年半は、構造実験としてたくさんのチキントラクターを壊してたんですよ。
壊してわかることがほんとに多くて、そこから現行の標準仕様(どんな材を何でどう固定するかなど)が定められたわけです。もちろん秘蔵ですが。笑
さて、この冬の豪雪を利用して実験していた積雪荷重について、雪がとけて少なくなってきたので見てみましょう。4月に入っていますが、つい先日の写真です。
重要なポイントがわかるように記録用に撮影したものなんですが、お気づきになることはありますでしょうか。
もちろんこんな過酷な豪雪地帯の屋外でチキントラクターを使うことはおすすめではありませんが、おそらく冬は屋根の下に移動したり雪除けの囲い屋根を作ったりすると思いますし、この状態で使うことはないですよね。笑
それぞれのチキントラクターやケージの上には、3、4mの積雪。数トンから数十トンの雪がのしかかっていたのを想像してご覧ください。
これは特大ケージの移動式産卵小屋。
修理用に作業台の上で横向きになっていますが、映像などで紹介しておりました赤い屋根の小屋の足元です。
すべて販売用のものではありませんが、販売中のどのモデルにもこういった実験からのデータを活かして設計しているんです。
ほんとに今年もよく降りました。
少しさかのぼってみましょう。
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今日はなんとも見苦しい写真のオンパレードでしたが、これも現実です。
私どもが販売するチキントラクターは、ずっと長い間、愛着を持ってご家族やご近所さんなど大切な方々でお使いいただくもの。もちろんそこに愛情たっぷり注がれている鶏さんが暮らします。
チキントラクターに必要な条件を満たすこと。足りないものをなくすこと。それが私ども作り手の仕事なんですよね。
これから導入をお考えの皆さんはぜひ、こういったことも知っておいていただきたいと思っています。
なんでこんなカタチなの?
なんで屋根が木でできてるの?
なんでこの金網なの?
なんで腐らない木材をわざわざ用意して製作するの?
すべては実験でわかったことがあるからなんですが、その「なんで?」ってとても大事なんですよね。
さあ、ようやくあったかいシーズンのはずですが、まだ今朝は氷点下、、、。
がんばりま〜す。^ ^