皆さん、こんにちは。
こちらは愛玩目的で鶏をかわいがっておられる方もあると思うんですが、数回に分けて『食肉としての鶏』を考えたいと思います。
屠殺・解体のお話も含まれます。部分的に気分を害される可能性もありますこと、お許し願いたいと思います。
生業として鶏舎やチキントラクターを製作販売するのであれば、一見必要のないことのように思われますが、逆に採卵や肥育を主業としてるわけではない立場として、鶏が好きで自然を愛するからこそ彼らのことをより多く知って理解して接したい、その生き方を守りたいということをいつも考えている一人の愛鶏家のつぶやきだと思ってください。
こちらは先日、京都府京田辺市にチキントラクターをお届けした烏骨鶏農場です。
鍼灸整体をされている『ゆるり村』さんが運営されているUKO-PARKは、地域のふれあい農場でありますが、それと同時に東洋医学で言われている烏骨鶏養生の研究の場としても利用されています。
烏骨鶏はほかの家禽や家畜とは違って骨も肉も血もアルカリ性であったり、肉だけじゃなく足までも古くからヒトの健康に役立てられてきた、ヒトにとってはとても有難い存在であったわけです。
ぐっと遡って考えると、私たちの先祖は、はるか昔、狩猟採集中心の暮らしを営んでいたのは皆さんがご存知だと思います。それはびっくりするほど長い長い間続きました。
その狩猟時代は、やがて弥生時代に稲作農耕文化へと移り変わり今も続いていて、肉や魚、米、野菜、果物。たいていのものがスーパーに行けばいつでも買えることができて、いつでもおいしい料理を食べることができる。卵も工場で生産されたもののように一年中当たり前のように並べられてますよね。そこそこ新鮮なものが手に入りますし、本当に便利になったものです。
そこで皆さんに質問なんですが、日常的に魚や肉を捌き、調理されている方はおられるでしょうか?
ここから鶏肉を考えていきます。
スーパーに並んでるパックの肉はとてもきれいにラップがかけられていて、例えば「ムネ肉」「もも肉」という分類までされていますよね。
自分が子供の頃もそうですけど、煮物にいくつも手羽元が入っていてとてもおいしい鶏肉が大好きになったけど、それがどこの部位かわかったのは何年も後のことだったりします。ありません?そういうこと。^ ^
また違う話で、数年前に焼き魚をとてもきれいに食べる中学生の女の子がいて、その子がきれいに食べたその魚の姿を写真で見せてあげた時に、その子がすごくショックを受けたように驚いていたのも忘れられないです。パックで売られた“切り身”しか知らなかったわけですね。
もちろん生活の中で身近にないと、農家さんや漁師さんの苦労を知流ことがなくてもおいしい野菜や魚などが食べられる時代だと思うんです。
その野菜がどうやって実っている姿を知らないものがあったりとかもあるでしょう。
そんなことを考え出すと、もしかしたら鶏の姿も見ることがない大都市の子供たちは、卵をなんだと思ってるのか気になったりしてしまうわけです。
鶏が一日に一個、産んでくれるものということどころか、もしかしたら鶏が産んでくれていることを知らない子もいるのかもしれんなぁとね、、、。
もちろん知っていてもたいていは、絵や教科書の中の情報だったりするのかもしれませんが。
農薬や化学肥料で育てられた野菜や米は美しく、より自然に育てられたものは虫が食い傷んでるところがあったりする。
虫が食べるほど安心できるものを選ぶのか、「とにかく美しいもの」を選ぶのか。
皆さんならどちらを選びますか?
大豆で作られた肉風味のものなども出回っている世の中で、本当に安心できる「食」とはどんなものか。永遠に続く課題なのかもしれませんよね。
何が信用できる情報なのか、語り合う場が作れないか。そんな思いもあって、数年前にジビエの料理人と有機栽培農家さんと3人で、『いのちを考える会 〜安心できる食と農〜 』というものを開くことになりました。
安心できる野菜や果物はどんな養分で育ち、お肉は何を食べて育ったのか。それとあわせて何よりも普通に生活してる以上、肉を知る上で避けては通れない部分を希望者の方に体験していただこうということなんですが、今回は関西で初めて『ゆるり村』さんでの開催となりました。
屠殺というのは、食肉用に鶏を殺すこと。
それを解体して、おいしく食べるということ。
考えてみればその当たり前のことが当たり前じゃない便利な時代です。
だけど、それを実際に自分で経験したらどうでしょう。どんなことを考えると思いますか?
生きてる鶏の命を奪ってしまった。
真っ赤な血を見てしまった。
グロテスク。
まぁ、いいイメージはないですよね。
では、なんでわざわざ屠殺をするのか。
そんなことは知らない場所で専門職の人に任せとけばいいのに?
自分自身が、小さな子供にも大人の方にも屠殺・解体を経験していただく理由を含めて、次回に綴りたいと思います。