こんにちは。
これから鶏を飼ってみようとお考えの方に、知っておいていただきたいことを少しずつ書いてゆきたいと思っています。
ヤギや綿羊など家畜と比べると、鶏やうずら、七面鳥など家禽は飼いやすいというイメージをもたれているかもしれません。
あたりまえのことなんですが、飼うということはその命に対して責任があることを忘れてはいけませんよね。
人間の世界では新型コロナウィルスが猛威をふるっていますが、家畜や家禽にもそれぞれ感染による疾病の問題があります。ヤギや綿羊、豚など偶蹄類にとっての口蹄疫、鶏を含む鳥にとっては鳥インフルエンザというものです。
今日はその『鳥インフルエンザ』について書きます。
基本として野鳥と彼らと接触する可能性がある鶏や家禽が対象と考えて良いと思いますが、たいていの場合、これらも中国大陸から発生、拡大することが多いです。
大陸で発生した場合、渡航歴のある方の出入りには注意が必要で、畜舎への入場の際に靴の裏を消毒したりするのが基本的な対処となります。
かわいがってる鶏が死んでしまったら切ないものですが、仮にそれが鳥インフルエンザだったら個人の問題ではおさまらないことを知っておいてください。
高病原性鳥インフルエンザの診断を受けたら以下のような措置がとられます。
発生農場内のすべての家きんは速やかに殺処分され、死体は埋却または焼却されます。発生農場内の物品も焼却、埋却、または消毒されます。鶏舎も消毒されます。
原則として、発生農場を中心とした半径3キロメートル以内の区域について、家きん等の移動が禁止されます(移動制限区域)。また、半径10キロメートル以内の区域については、生きた家きんの区域内での移動及び区域外から区域内への移動は可能ですが、家きん等の区域外への搬出が禁止されます(搬出制限区域)。これらの移動・搬出制限区域は、防疫措置が完了してから実施する清浄化確認検査により陰性が確認されたのちに、解除されます。
例えば表記の半径以内に養鶏場などがあれば、卵の出荷もできなくなり、養鶏農家さんにとって大きな損害が発生することになります。
鶏舎を設置する場合は、近所の養鶏農家さんにも配慮して安心できる構造の鶏舎を検討するべきということになります。
安心できる構造とは、野鳥が侵入できないことと天敵からの攻撃で破れない網ということになります。
各都道府県には家畜畜産の衛生指導を担当する部署がありますが、鶏舎の金網がきちっと張られていないとその場で修繕を求められます。
私どものチキントラクターは、たくさんの実証実験と農水省発令の「鶏安全飼養マニュアル」などを基準に標準仕様化して製作しています。
また近県で鳥インフルエンザが発生した際の情報や予防・対処のアイデアなど、ユーザーであるお客様と共有できる体制をとっています。
安心な飼養環境を整えることは、産卵率を高く維持することにもつながりますし、ヒトと鶏、お互いにとって大事なポイントです。
さて、
初めて鶏を飼ってみようとお考えの方は、鶏にどのようなイメージを持っていますか?
意外に鶏はすべて早朝から鳴くとお思いの方が多いですが、「コケコッコー!」と大きな声で鳴くのはオスだけです。笑
そしてメスだけでも卵は産みます。
それからこれも意外と思われることがありますが、種によっては凶暴で好戦的な個体もいます。
臆病というイメージもあるかもしれませんが、飼養者と信頼関係がある鶏はそんなことはありません。好奇心旺盛で扉を開けるとみんな外に飛び出して遊びます。
自分が鶏ならどうしたいか、考えればわかりますよね。
鶏の種類や色など様々ですが、茶色系の鶏は温厚な性格でなつきやすいことが多いですが、ヒトと同じでみんな性格が違います。
臆病ではないと書きましたが、環境の変化などに対してナーバスなところもあります。
環境の変化のほかに摂取すべき栄養が足りなかったりすると羽食い、尻(しり)つつき、食血、腸ぬきという行動をする個体が出てくるんですが、このようなつつきを悪癖(カンニバリズム)といいます。
次回は、このカンニバリズムについてご紹介したいと思います。