チキントラクターの製作を進めています。
チキントラクターをいつか導入したいという方は、いつから始めるかということで悩まれる方もいらっしゃいます。
私どもはこれまでに8年近く全国各地のお客様にチキントラクターをお届けしながら、またこれも各地の農場や研究施設などでいろんな実験を行なっております。
その中で感じているのは、除草が第一の目的ですぐに成果を見たければ、このゴールデンウィーク前後から梅雨の間にチキントラクターを設置するのがいいと思います。
鶏が草取りをしてくれる“除草”というのは、皆さんがイメージしやすいところですが、鶏を観察しながら自然科学や自然農法、自然界の循環やさまざまな自然の摂理にアンテナを張ることで活用法はかなり広がるんです。
草だらけの自然農法はやはり野菜本来の甘味を育みます。
それは雑草との競争に勝ったからと考える方もいるでしょうし、共生することのメリットという意見もあるのではないでしょうか。
一般的に畑は春先に耕して始めるわけですよね。そして、作物が育ち始めると草も芽を出してどんどん勢いよくなってゆきます。
遡って考えてみると、耕す前に草の種を取り除いたわけではありませんし、「耕す」という行為が種を土中に沈める行為になってはいないでしょうか。
面白いでしょ? それが一般的なハタケです。
マルチングも含めて自分が撒いた(草の)種の後始末に苦労するわけですよ。
ちなみに、草の種は鶏にとっては貴重な食糧なんですよ。
それから、例えば草むらを人が行き来すると「道」ができます。
野生動物の通り道も同じで「けもの道」という言葉がありますよね。
草を踏み、土が少しずつ上がって草に被る。
土を被された草は光合成ができなくなって育つことができなくなる。
あまり想像しにくいかもしれませんが、鶏も同じなんです。
私どもの大型のチキントラクターですが、こちらをご覧ください。
チキントラクターがあった場所とそうでない場所の境目です。
よく見ると草が完全になくなってるわけではありませんが、鶏に踏まれた時点で草にはダメージ有りと判断し次の位置に移動しています。
そのままにしておけばおそらく草が完全になくなって土だけになるんですが、それが100%いいかどうかはその場所にもよるでしょうね。
この画像の場所は、不耕起栽培の田んぼなんです。
鶏によってダメージを負った草は光合成できずに土に溶け、養分となるわけです。
土の上に落とされた鶏糞は発酵され分解が始まるのでにおいの問題がほとんどありません。つまり発酵鶏糞ということになり窒素成分を加えるのにとても有効です。
以上、草を食べ、種を取り、草を踏むというニワトリのお話でしたが、忘れてはいけないのが、野のものを食べ健康な鶏が産んでくれる卵は特別あまくておいしいです。
草があるなら鶏を飼わないともったいないです。
除草剤で草を無くすのは簡単かもしれませんが、自然にダメージを与えていいことってあtたかどうか。考えると答えは出てきますよね。
省エネ、脱炭素、カーボンオフセット。いろいろ言われてますけど、
そもそも自然に負荷を与えないやり方を選ぶべきなんです。