「鶏が2〜3羽入れる固定の小屋を作成していただくことはできますか?
いくつかモデルを見せていただきたいです。」
京都のSさんから最初にご連絡をいただいたのは5月の始めでした。
何回もメールでお打ち合わせをし、遠方ですので現場調査に伺えず、たまたま同じ住宅地の中に数年来チキントラクターをお使いいただいてるお客様がいらっしゃるので、採寸をお願いしたりして進めました。
写真に寸法を書き込んでいただいたり、いろんな角度から既存の鶏スペースをお見せいただいたりしながらプランを練りました。
こちらが玄関脇にいろんな建材やすだれなどを利用しながら作っておられた鶏小屋で、日中は自宅の周囲に防鳥ネットを張っておられて、その中を放しておられるわけです。
これが結果としてこうなったわけですが、いかがでしょうか?
鶏舎の予定地にポールライトですね。外灯がありまして、その位置も教えていただきながら、遠く離れた新潟で準備を進めさせていただきました。
既に何羽か鶏を飼っておられるということなんですが、その中に雄鶏も2羽いるとのこと。
自分自身もよく知っている住宅地で雄鶏が早朝、雄叫びをあげている??
マジで?? 最初は驚きましたよ。。。笑
必要なことは天敵動物から鶏を守ることですが、それと同じぐらい鳴き声(が響き渡るの)を抑えることが求められます。
そして玄関先で、演奏家でもあるS様ご夫妻は音楽教室や放課後等デイサービスを運営されていて、いろんな方々から見える鶏舎ですので、意匠としてもしっくりくるものを考えてみました。
表札とポストのあるアール形状の門柱の後ろ側でもありますし、ご自宅も和風建築ではありませんので、ぴったりマッチする存在感とそれぞれ機能を持たせた様式美として、アール形状の屋根にすることをご提案させていただいたわけです。
もちろん門柱のアールを採寸していただいて、そのままコピーする形です。
これまでにも有効的に採用してきた吸音部材「ホワイトキューオン」を仕込んだ屋根と壁。
アール形状が遮音に対してどの程度の効果があるかは、正直なところやってみないとわかりません。
もちろんこの構造で密封するようなものであれば、かなりの遮音性能が見込めるんですが、なんと言ってもかわいい鶏たちを締め切った鶏舎の中で閉じ込めるというのもおかしいですし、鶏たちがストレスに感じるものは一切、そこに置きたくない。
奈良県天理市にお届けするチキントラクターと合わせて、鶏舎造作の部材と資材をいつものトレーラーに載せていざ関西遠征です。。。
玄関ポーチにある手すりを取り除くことはできませんので、窓やメンテナンス用の扉などは、この状態で直接位置を測定して製作しました。
もちろんすべて特別に準備したACQ注入材です。
かなり工程が増えますが、ビスで固定する部分は下穴を開けることで割れを防止。
気密テープというものは、住宅建築において高気密化の必須アイテムのひとつですが、少し違う使い方をしています。
目的がわかる方がいらっしゃったらすごいすごい。。。ということで、ネタばらしは敢えて無しとしましょう。笑
かなり大きな新興住宅地で、S様宅はメインストリートに面しています。
大型のショッピングモールや病院、飲食店、コンビニなど、ほんとに便利な場所です。ウラヤマシイ…
はい。だいぶ出来てきましたよ。
説明しますと、
右端が板の扉になっていて向こう側に取り外し式の採卵箱を作ります。
中央は、止まり木があって外を眺めることができる金網の窓となる予定。
左側は、人もなんとか出入りができる鶏たちの玄関(?)ってところでしょうかね。^ ^
さぁ、引き続き造作です。
まずはこちら。特大のニップル式給水器です。
採卵箱と止まり木が出来上がりました。
ポールライトの位置もいい感じだと思いませんか?
防鳥ネットで囲われている後ろ側(運動スペース側)は敷き料の交換などメンテナンスの際には「大きく開けられる壁」となっているのですが、ふだんは鶏の出入り口を玄関ポーチからロープを使って開閉できる仕組みです。この写真のフェンス側はネットで覆われるのでロープの位置は、鶏のスペースの外部となります。
S様が撮影してくださいました夜の鶏たちです。
今回もみんな気に入ってくれたみたいですね。^ ^
肝心の鳴き声対策もバッチリうまくいきました。
これだけ外が見えているのに、(おそらく外に向かって鳴くのに)遠くで鳴いてるように聞こえます。
S様いわく「これなら近隣の方達に迷惑にならない。」と一安心されてました。
こんな映像も作ってみました。
いろんなオーダーメイドにも対応させていただいておりますので、ぜひ参考になさってくださいね。
最後にうちの真骨頂、『にわとりブランコ』を作らせていただきました。
S様、(既にお友達ですが)今後ともよろしくお願いします。
m(_ _)m