
スーパーに行けば、卵は買える。
野菜も肉も、必要なものはだいたい手に入る。
それが当たり前の暮らしを、私たちは長く続けてきました。
でも最近、ふと思うことがあります。
「食べるものを、すべて誰かに任せていていいのだろうか。」
物価は上がり、卵の値段も上がりました。
飼料や燃料、電気代も上がっています。
世界のどこかで起きた出来事が、巡り巡って私たちの食卓にも影響する。
そんな時代だからこそ、
暮らしの中にほんの少しだけでも、
「自分で生み出せる食べもの」があってもいいのではないでしょうか。
その入口として、
私どもSAPGREENが提案したいのが、
「卵からはじめる、小さな自給」です。
卵を自給するということ
鶏を飼って卵をいただく。
言葉にすると、とても単純です。
でも実際にやってみると、
そこには「卵を手に入れる」以上のものがあります。
朝、鶏の様子を見る。
餌と水をあげる。
草を食べる姿を見る。
そして産卵箱をのぞいてみる。
そこに、まだ温かい卵がひとつある。
初めて自分で育てた鶏が産んだ卵を手にしたとき、
スーパーで買う卵とは、
まったく違うものに感じるはずです。
「卵って、こうやって生まれてくるんだ。」
当たり前のことなのに、
自分で鶏を飼ってみて初めて実感します。
安い卵をつくることが目的ではありません
「鶏を飼えば、卵代が浮く。」
そう考える人もいるかもしれません。
でも、餌代もかかります。
鶏小屋も必要です。
毎日の世話もあります。
だから私たちは、
「節約のために鶏を飼いましょう」
とは考えていません。
もっと大切なのは、
自分が食べるものが、どこから来たのか分かること。
どんな鶏が産んだのか。
その鶏がどんな場所で暮らしているのか。
何を食べているのか。
自分の目で見て、
自分の手で育て、
そして命から食べものをいただく。
食べることと、生きものを育てることが、
もう一度つながります。
鶏を飼うと、庭の見え方まで変わる
鶏の面白さは、
卵だけではありません。
庭に生えている草。
今までなら、
「刈らなければいけない雑草」だったものを、
鶏たちは喜んで食べます。
地面をつつき、
足で土をかき、
虫を探す。
そして糞をする。
その糞が土へ還り、
土が豊かになり、
また草や植物が育っていく。
草 → 鶏 → 糞 → 土 → 植物 → 鶏。
そこに人が加わり、
鶏を世話し、
卵をいただき、
野菜を育てる。
今まで別々だったものが、
少しずつつながっていきます。
私たちは、これを「小さな循環」だと考えています。
だから、チキントラクターを作っています
普通の鶏小屋は、
基本的には同じ場所にあります。
でもチキントラクターは違います。
鶏が暮らす場所そのものを、
少しずつ移動させることができます。
今日はここ。
草を食べてもらったら、
次は隣へ。
また草を食べ、
土をかき、
糞を落とす。
そして次の場所へ。
鶏を閉じ込めるための小屋ではなく、
鶏の力を借りながら、人と土地とをつなぐ道具。
それが、
私たちSAPGREENが考えるチキントラクターです。
自給自足じゃなくていい
自分で米をつくる。
野菜を全部つくる。
電気もつくる。
そんな完全な自給自足を目指す必要はないと思っています。
スーパーにも行く。
外食もする。
便利なものは利用する。
そのうえで、
食卓に並ぶもののひとつくらい、自分たちでつくってみる。
それくらいからでいい。
その最初のひとつが、
卵なら始めやすいかもしれません。
鶏が数羽いる。
朝、小屋をのぞく。
今日も卵がある。
その卵で朝ごはんをつくる。
ほんの小さなことです。
でも、
「今日食べるものを、自分たちでひとつ生み出した。」
という感覚があります。
卵から、暮らしを少し変えてみる。
先のことが見えにくい時代だからこそ、
何でも買う暮らしから、
ほんの少しだけ、
「自分たちでつくる暮らし」へ。
大きな畑はいりません。
何十羽もの鶏も必要ありません。
庭先の数羽からでも、
小さな自給は始められます。
そして鶏を飼ってみると、
卵だけではなく、
土や草、食べもの、季節、そして命のことまで、
少し違って見えてくるかもしれません。
卵からはじめる、小さな自給。
鶏といっしょに、
小さな循環のある暮らしを始めてみませんか。

