今年の春までに孵ったこっ子が卵を産み始めました。
各地のパティシエや料理人から絶賛していただいてる卵です。
なぜそんなに白身が甘くて黄身が濃厚なの?と聞かれるんですが、エサづくり以外は何もしてないんですよね。笑
もちろんエサにはヒトの子育てと同じでいいものを選んで配合する。いわゆる自家配合飼料にこだわりがあるんですが。
でも一番はやはりチキントラクターで自然に育てられていることにメリットがあると考えています。
「自然に…」ということは、言い方を変えればエサも与えない放し飼いというのが「自然」なのかもしれませんが、より環境を自然な形にすることの意義が大きいと感じています。
例えばお日様の光を浴びて風が吹こうが、大雨であろうが、とにかく鶏はチキントラクターの中で一年中外にいるわけです。
デメリットといえば、野生動物に睨まれても外にいるしかないということぐらいでしょうか。
昨日今日と夕方、ゲリラ雷雨のようなお天気でね。私たちが鶏の飼育の中で日々目を向け考えてることに気づいたことがあるんです。
それは「自然」を作ろうとすることが不自然だということです。
もちろん人の手でチキントラクターを作っているわけですが、意図してやってることは「不自然」なものを避けることだと思います。
鶏が(人工的ではない)土の上にいることは、想像以上に鶏にメリットがあって、少なくとも強い子に育つことは間違いありません。
今までに経験してきたことをすべて書き出すのにブログでは足りないのですが、いわゆる自然治癒力は、驚かされます。
それが土の中の何によって育まれるものなのか。
詳しいことは分かりませんが、そこにいる有用微生物群というものはすごい力を持っていると感じます。
もしかしたらコストも労力もかけて一生懸命作っている先ほどのエサなんて大したものじゃないのかもしれません。
そして、そんな鶏たちが一生懸命産んでくれた卵から私たちはエネルギーを与えてもらっていると強く感じさせられるわけです。
私どもに課せられた仕事は、科学の発展とは逆方向なのかもしれません。
でも、どうしても失くしてはいけないものを守ってるように思えてなりません。