弊社は全国を対象に営業をさせていただいております。
新潟県十日町市を拠点に製作しておりますが、これが一定の品質を確保するためにどうしても大事で、仮に遠方からご注文いただいた場合にお近くの木工職人や大工さんに図面と標準仕様書をお渡しして製作を依頼し利ざやを得るということをしていません。
私どもが求める鶏の住環境は、形を作ることは手順を踏めば誰でもできるのかもしれませんが、求められる要素と品質の高さという部分を考えると、なかなか人に任せられることができないのです。
一箇所を拠点に受注生産ということで、遠方からのご依頼の場合、どうしても輸送経費がネックになります。
数年前までは大手運送業者に頼んでお届けしていましたが、運送各社の取り扱い事項の変化などによって安くお届けすることができなくなったり、生体(鶏やひよこ)に関しては個人宛ての輸送ができなくなったこともあり、現状は自社便にて直接お届けしています。
お客様のほうで新潟までお引き取りにお越しいただくのが、ご負担も少なく一番いいとは思うのですが、数百キロという距離になると、燃料代や高速代、時間も労力もなかなか大変なものです。
ひとつ例をあげてみます。
仮に広島市からご依頼いただいた場合の輸送経費の計算をしてみます。
実際にかかる経費と出張経費(労務・宿泊)ということになります。
実際にはお届け先(住所など)を伺って弊社拠点からの正確な距離を割り出すことから始めますが、今回は広島市の原爆ドームを納入先に設定します。
GoogleMapで経路を出すと、高速移動による片道移動距離は、821Kmでした。
ちなみに輸送に使用する自動車は、SUVにカーゴトレーラー で中型車になります。
① 燃料代は、平均燃費7Km/ℓ、ガソリン単価145円で計算します。
(821÷7)×145=17,006.4285… ≒17,000
② 高速料金(ETC)は、北陸道上越インターチェンジから中国道広島インターチェンジを使用。
中型車で、18,700円
③ 出張経費については、基本的に移動時の労務費と宿泊料金となります。
片道の移動時間が、GoogleMapから10時間33分と割り出されるので、これに時間当たり2000円の労務費を乗じます。
10.5×2,000=21,000
8時間を超える場合、宿泊費6,500円を加えます。
21,000+6,500=27,500
①②③の合計が片道の移動経費ということになります。
17,000+18,700+27,500=63,200
私どもは何もなければ次の仕事のために拠点に戻りますので、往復分となります。
(17,000+18,700+27,500)×2=126,400
できるだけコストを抑えることを考えていても12万6千円もの輸送経費がかかるわけです。
荷造り梱包という部分をサービスとしてもこれですからね。
そこでもうひとつやっていることがありまして、いわゆる共同購入者の募集ということになりますが、上のように広島市の場合だと新潟から通過していく中部・北陸・東海・関西・中国というエリアの方に向け、移動経費が安くできる旨をお伝えし購入者様を募集するということをSNSなどを通じて行っています。
仮に同じ広島の方がおられれば、輸送経費は半額にできるわけです。
もちろん簡単ではありませんが、今、最大限にできることはそれぐらいだということをご理解いただきたいと思います。
同じ広島市ではなく兵庫県の姫路市で混載のお客様がいたとするとどのようになるか、やってみます。
新潟県十日町市の拠点をA、姫路の納入先をB、最終、広島市の納入先をCとします。
このような場合、以下のような計算方法で輸送経費のご負担額を算出しています。
先ほどと同じく高速料金と燃料代、労務費から輸送経費を求めますが、AからBまでとBからCまでをそれぞれ計算します。
最初から往復分で計算すると、
AからBが、(579Km 7時間30分) 80,280円
BからCが、(241Km 3時間15分) 36,424円 という金額が出てきました。
そして、AからBの区間分を件数分の2で割ります。
40,140円となります。
まず、Bの姫路への輸送経費が、その金額となります。
そして、Cの広島市までの輸送経費は、BからCの36,424円と40,140円を合わせ、76,564円ということになります。
実際には移動時間が増えるんですが、どうでしょうか。
最初に広島市だけに納入する場合は、126,400円でしたから、姫路市の分と混載で行けると広島市の方にとって49,836円の削減ということになります。
お気づきの方もおられるかもしれませんが、それぞれの移動時間が8時間未満なので宿泊費は含んでおりません。
ただ、こういう工夫をしていても、見積りの中の
「輸送経費 76,564円」
というのをご覧になると驚かれることが多いです。
実際にチキントラクターを見られたりしてると、サイズ的なものからご理解いただけることもあるんですが、輸送経費はネックなのは違いないですし、今後も模索していこうと思います。