今日は鶏についてです。
とくに動物愛護を目的とした福祉養鶏を概念として掲げている理由として鶏がどんな生物で何を大切に付き合ってゆくべきなのか、もう一度、考えて記したいと思います。
飼ってる方は、すでに感じられておられたりするかもしれませんが、鶏はそれぞれに個性があったり癖があったりします。よくわからないけど、感情は豊かだと感じることとか。
一番わかりやすいのはメスだけいくつか飼っていてもその中にリーダーとかボスのような子がいることですが、これも強いか弱いかだけの理由ではないように思えます。
私どもは鶏を放し飼いにできる時間を様々な角度から観察するようにしていますが、ヒトよりも優れている能力を感じることも少なくはありません。
アニマルウェルフェアのサイトでも、鶏の能力については、以下のように紹介されています。
- 鶏は霊長類と同等のコミュニケーション能力を持っています。
- 自分の意図を伝えるために洗練されたシグナルを使います。
- 意思決定をするとき、鶏はそれ自身の以前の経験と状況を取り巻く知識を考慮に入れます。
- 危険にさらされているほかの鶏に感情移入することができます。
ここまでは飼い始めるとみなさんが割と早い時期に感じられることかと思います。
引き続きこんな情報も紹介されています。
2017年1月2日、科学雑誌Animal Cognitionに掲載された神経科学者のLori Marinoによる論文(Thinking chickens: a review of cognition, emotion, and behavior in the domestic chicken)では、鶏の持つ高い知覚・認知能力が明らかにされています。
論文の所見では、次のようなことが明らかになっています。
- 鶏は数と基本的な算術を理解している。
- 鶏は考え、論理的推理をする能力を持っている。例えば、彼らは演繹という単純な形式の能力があり、これは人間が約7歳で発達する能力である。
- 鶏は時間間隔を知覚し、将来の出来事を予測できるように見える。
- 鶏は人間に似た複雑な方法で社会的スキルとルールを学び、行動的に洗練されている。
- 鶏は複雑で否定的・肯定的な感情を持ち、シンプルな形式の同情心を持つ証拠が示されている。
- 鶏はすべての動物と同じく、それぞれ個性が異なり、認知的、感情的、行動的に、各々が複雑な個である。
いかがでしょうか。
鶏がいかに感情豊かで自分たちの社会を形成しているか、少し想像できますよね。
自然の中で、でも人の暮らしの近くで、のびのびと過ごしている鶏たちを見ることがあればそんなことを思い出していただければと思います。
#鶏のいる暮らし #鶏の本能 #チキントラクター